ぼろり。

趣味日記。

会いに行く理由が必要か重要か無用か

「オフ会?とかあんじゃん?「会おうぜ!」とかなっちまうもんなんじゃねーの。」

人が言語や距離を問わない魂の決闘を技術で成し得ようとしているというのにこの男は言ってくれる。
しかし俺もジェット機の動力と発着地点について考えるようになっているのは事実だった。
記憶から再現された完璧なバーチャルも町の様子をタイムラグ無く表示する映像も必要な情報ではあったが前者は魂無き故に、後者は肉体無き故に満足には至らない。

「魂とはなんだ。」
「は?信念とか…心ん中の一番熱いやつ…って言葉にできんのかコレ。」
「肉体とはなんだ。」

城之内は目を泳がせる。
後者はただの肉欲なのか。
それとも「会おうぜ!」などと思い合ってしまうのは魂の問題か。

「貴様に限った事を考えるだけ無駄かもしれんが。」

城之内は何も言わずシーツの奥深くに消えてしまった。